MDジョイントとは、Mechanical Drainage Jointの略号で正しくは「排水鋼管用可とう継手」という名称です。そして日本金属継手協会規格「JPF MDJ-002」で規定されている規格品です。
近年建築物の高層化、生活様式の変遷に伴い、汚水・雑排水系統の継手に於ても地震等による建物の層間変位に対応する可とう性を有し、管の熱による膨張・収縮による事故等を防止します。また熟練作業者でなくても容易に施工でき、配管工事のスピードアップとコストダウンが図れる継手の要望が高まり、当社では、規格の制定により昭和54年6月1日からMDジョイントの生産に着手し、今日では諸官庁、設計関係者様および各施工業者様に幅広くこ採用をいただいております。

製品の特長

1.配管工事のスピードアップとコストダウンが出来ます。

キッコーイチ印MDジョイントは全て本体とフランジ部品は別梱包しています。現場で寸法別にして整理して下さい。

  • パイプの拡管や加工の必要はありません。
  • 締付け作業は、モンキーやスパナをこ使用頂けます。(締めつけ管理は各トルク値を参照してください)
  • 適用管種が多いことから、新築物件だけでなく、排水配管改修工事にもこ採用頂いております。
2.塗装はエポキシ粉体塗装

継手の内外面にエポキシ樹脂系粉体塗装(塗装膜50μm以上)を施しており、一般的な排水配管に広く採用頂いております。

はじめに

ディスポーザ排水処理システムの普及による排水管への交雑物流入や、グリーストラップ配管への厨房高温排水頻度の増加など、建築設備における排水システムヘの負荷が高まっています。
それに伴い排水鋼管の腐食要因も多様化しており、厨房排水配管や排水槽通気管に使用されている排水鋼管用可とう継手が、使用を開始して数年で本体に穴が開き漏水する事例が発生しています。また、高層建築物の増加に伴い圧送配管用途や雨水配管用途においての漏水事故が報告されております。

1.ディスポーザー配管への使用について

排水配管、臭突管、通気管へのこ使用は避けて下さい。硫化水素の発生に伴う硫酸により継手本体が腐食し、更には穴があいて漏水に至る危険性があります。

2.配管の維持管理に関する注意事項について
  1. グリーストラップはグリースの回収など適切な日常管理と定期的な清掃が必要です。これらを守らないとグリーストラップの本来の機能が発揮できず、油脂や浮遊物、沈殿物が流出し、排水管内に堆積することで管内閉塞を引き起こしたり、腐食性環境の原因となる場合があります。それにより管や継手への負荷が大きくなり、配管の寿命が短くなることがあります。
  2. 排水管内の機械的洗浄は高圧洗浄にて行って下さい。できるだけ継手内部に損傷を与えないよう樹脂被覆ホースをご使用ください。ワイヤー洗浄は継手内部の表面処理を損傷するだけでなく、継手本体の損傷を招き、継手の耐久性を低下させる恐れがありますのでご使用をお控え下さい。
  3. 次亜塩素酸ナトリウム等を含んだ漂白殺菌剤や洗浄剤をご使用される場合は、その注意書きに沿った希釈濃度で使用して下さい。また、使用後は十分に水で流し切るようにして下さい。
3.圧送配管用途及び雨水配管用途に関して
  1. 最大圧力0.1MPaを超える箇所(水撃作用を含む)に関しては適用範囲外となります。
    弊社では、これらの問題に対応できる継手ロックエースを備えております。

使用基準

※MDジョイントは日本金属継手協会規格品です。

1.用途
建築物に付帯する汚水・雑排水及び雨水に使用する重力排水配管用です。

  • 台所、風呂、洗面所、洗濯機等からの雑排水及び雨水・通気配管用継手として使用します。
  • 注意:ポンプ圧送の排水管には使用しないで下さい。(ポンプ圧送には圧送排水配管用ロックエースをこ使用下さい。)
  • 注意:流体の使用温度は、-10~60℃です。
  • 注意:厨房・臭突管・ディスポーザー配管には使用しないで下さい。
  • 注意:露出配管を行う場合は、こ使用環境に応じた防錆処理を別途行って下さい。
2.適用管種
継手を用いることのできる管種は、下記の通りです。

JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管(SGP)
JIS G 3442 水配管用亜鉛めっき鋼管(SGPW)
WSP 032 排水用ノンタールエポキシ塗装鋼管(SGP-NTA)
WSP 042 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(D-VA)
JIS K 6741 硬質塩化ビニル管(VP)
その他JIS G 3452と外径がほぼ等しい硬質の管であれば、接続することは可能ですが、SUS管、VU管には接続しないで下さい。
3.異管種との接合法
4.施工法
(1)管の準備
  1. 正確に管の寸法取りをして下さい。
  2. 管はできるだけ直角に切断し、管端内外の面取りをして下さい。また、管端面には防食剤※1を塗布して下さい。
    ※1 セキスイ シリコンシーラント、日本ヘルメチックス ヘルメシール30-Vなど
  3. 管のパッキン当り面は変形、傷等がないことを確認し、油や土砂等は除去して下さい。
(2)管の接続
  1. フランジ、ロックパッキンの順序で管に挿入して下さい。
  2. 上記部品類を挿入した管端を継手受け口部に差込んで下さい。なお、熱膨張による管の伸びに対応するためには、継手と管の間に3mm程度のスキマを設けて配管して下さい。スキマを設ける方法はトンレスを参照して下さい。
  3. ボルトは原則として本体側から差込み、フランジ側をナットで締付けて下さい。締付ける際は各ボルトを均一に規格のトルクにそって締付けて下さい。
    なお、ボルトの締付けは、強ければよいというものではなく、むしろ強すぎるとフランジの破損、部品の欠損等を起こす原因となり機能が低下することがあります。

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